また6月7日、ブダノフ・ウクライナ軍情報総局長はインタビューに応じ、ロシアが当初イランから提供されていたシャヘド(Shahed)ドローンを北朝鮮に委託生産することで合意したと述べている。ロシアは現在シャヘド・ドローンを月産約2000機生産しているが、これを月産5000機に増産する計画だという。
シャヘド-136は高度60~4000メートル(m)を1000~2500キロメートル(km)飛行可能とされており、これを北朝鮮が保有することになれば韓国全土をカバーすることはもちろん、日本との関係でも使用可能となるかもしれない。加えて北朝鮮自身が製造することになれば、独自の改良も進むであろう。
同総局長はさらに、すでにウクライナの戦場で使用されている北朝鮮製のKN-23は、ロシアへの移転当初は数kmの誤差をもって飛行していたが、ロシアの技術提供により命中精度を高め、「今や・・・技術的特性において全く異なるミサイル」になったと述べている。
ウクライナ情勢も注視
第三の、そして最も本質的な理由は今日世界における核兵器の役割である。北朝鮮は核をもたない国が西側先進国、特に米国によって攻撃され体制転換されてきた例を何度も見てきた。そして今日、核兵器を放棄する決定をしたウクライナがロシアの侵略を受けているときに米国の支援は及び腰で、その戦略目標は明らかにウクライナ側の負担によって紛争を終わらせようとするものであることを目の当たりにしている。
ナラン前国防次官補代理は、昨年8月に行った「核の脅威と同盟国の役割」と題する講演で核拡散の問題に触れ、「核兵器の制約が完全になくなる世界に備えなければならない」等と述べている。