2025年12月6日(土)

古希バックパッカー海外放浪記

2025年7月13日

道端でも売っている手作りスシ

プエルト・モントの繁華街にある『スシ・レストロバー』

 3月18日。スシ(海苔巻き・手巻き)がどれだけ庶民にまでも浸透しているのか。せいぜい中間層までではないかと推測していた。サンチアゴ市内のベジャ・ビスタ地区の交差点近くの木陰の道端に数人の物売りのオバサンがいた。労働者や学生相手にオバサン手作りの昼飯のサンドイッチ、弁当などを売っている。前日サンチアゴ旧市街の道端で売っていた弁当がコスパ的に妥当であったことを思い出した。プラスチック容器に肉野菜炒め+トマト・サラダ+ライスが入って3000ペソ(=430円)だったのだ。

 冷やかしに1人のおばさんにランチあるかと聞くと発砲スチロールの箱を開いて弁当を見せた。さらにスシもあるという。スシ・ロールが2本で3000ペソとお手頃価格。ホステルに戻ってマテ茶を淹れてスシを食べた。味は日本のスーパーよりも落ちるが十分に食べられるレベルだ。量が多いので同宿の日本女子バックパッカーにお裾分けしたら喜んで食べていた。

 その後サンチアゴ市内や他の都市でも道端のランチ売りをチェックしたがしばしばスシ・ロールがあった。スシ文化はラテンアメリカ世界の庶民階層まで浸透しているのだ。

ラテン・スシ文化を支えるスーパーで買える中国製日本食材

 ベネズエラ人のスシ・レストランの支配人の話では食材はサンチアゴの食品卸会社から仕入れているとのことだった。しかし道端の物売りオバサンがスシ手作りしているということは食材が簡単に手に入るということだろう。

 3月26日。バルパライソの大型スーパーで自炊用食材を仕入れようと陳列棚を物色していたらパスタ&ライスのコーナーでパッケージに『スシ・ライス』と書かれているのがあった。パサパサの長粒米ではなくもっちりとした短粒米をスシ用に販売しているのだ。販売会社はチリの会社であったが原産地はブラジルだ。陳列棚には合計5つのブランドのスシ・ライスが売られていた。

 スシの食材で難問は海苔であるがスシ&ライスの隣の棚に2種類の海苔があった。両方とも中国産であるが目立つようにSushi Seaweedと大きく印刷されている。サイズもパッケージも日本製海苔と変わらないが色がやや緑っぽい。ひとつには厚かましくも『日本の香り』(Japanese flavor)と銘打っていた。

 ブエノスアイレスのスーパーではスシ・ライスのコーナーの脇に海苔、醤油、チューブ入りわさびが置かれていた。ラテン世界ではスシはもはや家庭料理になりつつあるのだろうか。

以上 次回に続く

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