河野 裕宣(かわの・ひろのぶ)1989年にオリンパスに入社、2016年に医療グローバルマーケティング本部長、19年治療機器事業グローバルビジネスリーダー、20年内視鏡事業長、21年4月から執行役員。60歳。熊本県出身。
女性の受診率の引き上げを
内視鏡メーカーとしての課題の一つは、受診率の引き上げだと河野氏は強調する。「日本の内視鏡受診率は世界から見ると低くはないが、特に女性の大腸がん検診の受診率が低いのが問題だという。大腸がんの患者数は男性より女性の方が多いにもかかわらず、女性の受診率は低い。このため、わが社でも会社は学校などに出掛けてキャンペーンやPR活動を行っている」という。
「米国では連邦政府が内視鏡の受診の補助などをして、国が積極的に支援している。日本では熊本市が2025年度中に55歳から59歳までの市民を対象に対して内視鏡の無料受診を実施する方針」と話す。熊本市の例は自治体としては初めてだという。
消化器内視鏡の診断は、胃と大腸ではかなり普及してきている。「胃と大腸以外では、肝臓、すい臓などもやっているが、すい臓がんに関しては診断が難しく早期発見ができにくい。永遠の課題です」と難しさを指摘する。
