ある日、原田が連絡のつかなくなったネルラを探していると、乗用車の助手席にすわったネルラに若い男が深刻な顔で話かけている。
警視庁捜査一課の刑事・黒川竜司(杉野遥亮)だった。ネルラの元フィアンセだった画家の布勢夕人(玉置玲央)が15年前にアトリエで事故死した事件を、殺人事件として再捜査することになったことを告げていたのだった。
ネルラが布勢のアトリエを訪ねると、彼は錯乱していて自ら描いた絵を破って、ネルラに心中することを迫った。抵抗した彼女は、はずみで転倒して気を失い、当時は「記憶がない」ということで布勢の死は事故として処理された。
アトリエの2階から転倒して頭を打ったのが致命傷とされた。しかし、刑事の黒川は布勢の頭頂部に転倒による傷ではない、殴りつけたような傷があることなどを根拠にして捜査を再開したのだった。
ネルラから再捜査の開始の事情や当時の状況を聴いた、原田は「一緒に生きていくために頑張ろう」と、強く語りかけるのだった。
父の寛やネルラの家族たちから、母が亡くなった1年後に長男にあたる五守(ゴシュ)が、勝浦の海岸でネルラと叔父の考と一緒に遊びにいったときにおぼれ死んだことも明らかになる。
事件現場がフラッシュバック
第3話(7月31日)に至って「しあわせ」にカゲがより覆いかぶさってくる。
ネルラ一家の毎年夏の恒例旅行で、寛が起業した舞鶴へ行った。原田も誘われて参加することになる。温泉に入り、海釣りを楽しむ。魚屋だった寛が、いわしを三枚におろした刺身を食べる。
定置網を浮かす大きなガラス玉に太陽の光が反射したとき、ナルラは突然15年前の事件の現場がフラッシュバックする。
東京に帰ってから、弟のレオの計らいによって、純白のウエディングドレスを作ってもらったうえに、有名な写真家に原田とネルラの結婚写真を撮ることになった。
フラッシュが何度も光るなかで、ネルラは再び事件のフラッシュバックに襲われて倒れてしまう。それからは、笑顔を失い、原田との会話もほとんどとぎれてしまう。
深夜にベッドでうなされていたネルラを起こした、原田は15年間の事件の記憶の一部が蘇ったことを話される。
