2025年12月5日(金)

「永田町政治」を考える

2025年9月8日

 自民党だけでなく野党も主要なプレーヤーになるだけに、これまでにもまして、複雑、ダイナミックな後継首相選びになるだろう。

中露朝連携、ウクライナ…日本の役割重要だが

 一方、日本政治の機能不全が続く間も世界の動きは激しい。

 9月3日、北京で開かれた中国の「抗日戦争勝利80年」の軍事パレードで、習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が一堂に会し、アメリカを中心とする民主主義陣営に対する団結を誇示した。中露朝3国の連携は、既存の国際秩序に大きな変更をもたらしかねない。

 中露朝対民主主義陣営の「新冷戦」という事態となれば、日本はその最前線に位置する。トランプ政権が世界政治から距離を置こうとしている今日、アジアを中心に各国と連携、糾合するようリーダーシップを発揮するのが日本の役割だろう。

 ウクライナ問題では、停戦実現後にウクライナへの「安全の保障」のために26カ国が軍事貢献することを表明している。日本は「自衛隊の派遣を検討している事実はない」(林芳正官房長官)というが、「今日のウクライナは明日の東アジア」(岸田文雄前首相)というなら、各国に後れを取ることなく、積極的な役割を担う必要があろう。

 国際社会における日本の影響力、存在感が薄れて久しいのはさまざまなデータが示すとおりだ。このままでは、国連安全保障理事会常任理事国入りなど夢まぼろし、主要7カ国首脳会議(G7サミット)メンバーにとどまるのも難しくなるかもしれない。

 21世紀に入ってすでに四半世紀。ここで各国に後れを取ってしまったら、将来、「政治の後進性ゆえ衰退していった国」として記憶されるだろう。

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