2025年12月6日(土)

Wedge REPORT

2025年9月16日

激増する監査件数と違約金

 CBPが発表する会計年度別統計を見れば、トランプ政権が発足した2025年から取り締まりが急速に強化されていることがわかる。

 「FY2025」は上半期だけで監査徴収額が19億4500万ドルに達し、違約金件数は4万件を突破してすでに前年から倍増した。半年でこれだけの数値に達していることは、規制環境が従来に比べ格段に厳格化している証左である。

 米国のある通関事業者は「HSコード(品目番号)や原産地証明への審査が厳しくなっている。適用される関税なども細分化され、誤申告のリスクが以前より格段に高まっている」と話す。

ウイグル強制労働防止法の強化と差し止め件数の急増

 制度強化を象徴するのが、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)の運用である。22年に施行されたこの法律は、新疆ウイグル自治区に関連する製品について、企業が「強制労働と無関係」であることを証明できなければ輸入を禁止する仕組みだ。

 24年通年の差し止め件数が4600件であったのに対し、25年1〜8月の差し止め件数は1万6700件超に達し、すでに約3.6倍に増加している。

 さらに8月には鉄鋼・銅・リチウム・苛性ソーダ・ナツメが新たに重点取締対象に追加され、トランプ政権は規制を一層強める姿勢を鮮明にした。


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