2025年12月6日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年8月26日

 2025年8月7日付フィナンシャル・タイムズ紙が、トランプ大統領が、8月6日、インドがロシア石油の購入を続けていることを理由に、米国のインドからの輸入に追加的に 25%の関税を課すことを決定したことを報じている。

(KadnikovValerii/gettyimages・ロイター/アフロ)

 トランプはインドのロシア石油の購入を理由にインドからの輸入に25%の追加の関税を課すと公表した。これはインドとの緊張を高めることとなろう。

 この決定は、スティーヴ・ウィトコフ大統領特使がモスクワでプーチンと会談した直後に大統領令で明らかにされた。「インドからの輸入に追加的な関税を課すことが必要で適当と判断した。インドは直接・間接にロシア石油を輸入している」と大統領は述べている。

 大統領令は25%の関税はインドに対する既存の関税に上乗せされるとしている。ロシアのウクライナ侵攻の前には、インドのロシア原油の輸入は無視できる程度であったが、それ以降に最大の買い手となった。

 インドは米国との貿易交渉で合意に至っておらず、既に25%の関税に当面している。8月27日に追加的な関税が発動されると、インドは合計で50%の関税を課せられると米大統領府は確認した。両国は防衛や技術の関係を拡大して来て、少し前には暫定的な貿易取引に近づいていたが、トランプの行動は両国間の亀裂を拡大するであろう。

 ウィトコフのプーチンとの会談は生産的だったとされている。ホワイトハウスは、会談は「巧く行った」が、「二次制裁は依然8月27日に実行される予定である」と述べた。


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