アジアにおいても、この1~2年、中国やロシアからサイバー攻撃に加え、台湾、フィリピン、韓国において、中国のためにスパイ行為を働いた容疑で逮捕される事案が増えている。日本の場合、中国人や日本人等によるスパイ容疑の逮捕は稀だが、中国政府による「国境を越えた弾圧」の対象になっている人がいる。
日本にとっても大きな「危険」
これらに関し、日本が取り組むべき課題は4点ある。一点目は、日本にはスパイ行為を直接罰する罪が存在しない(「スパイ天国」)ので、捜査機関はあらゆる法令を駆使して罪に問える罰則を探さざるを得ない。
欧米主要国、韓国、台湾は「スパイ防止法」を有している。日本も同様の法律を早急に整備すべきである。
次に、ドイツと同様、CSCから奨学金を得ている留学生については、受け入れないことを決定すべきである。
第三は、日本にいる香港や新疆ウイグル、チベット等の人々は、中国共産党による「国境を越えた弾圧」の対象になっている。彼らの安全確保のための法制や情報収集が必要である。
最後は、外務省の危険情報である。チベット自治区と新疆ウイグル自治区が「危険レベル1」に指定されているが、中国の他地域は危険地域から外れている。中国では、昨年に10歳の日本人男児が殺害され、別途、日本人小学生を守ろうとした中国人女性が殺害された。また、14年以降、17人の日本人が不当に逮捕され、現在も 5 人が拘束されている。
中国では反日の映画やドラマを制作し、子供の頃から反日感情が刷り込まれている。中国に住む日本人は、盗聴や盗撮など「超限戦」の攻撃対象になっている。何ゆえに中国が安全な国なのかと不可思議である。
