2025年12月15日(月)

田部康喜のTV読本

2025年12月13日

 北海道・日高の零細な「ノザキファーム」の牧場長の野崎剛史(木場勝己)が1頭1億円でしか売らないという馬を見に行って野崎の人柄を信じ、仔馬の走りを見て購入した。「ロイヤルホープ」と名づけた競走馬は、「有馬記念」に3度出走にこぎつけたが敗れる。

 耕造が率いる競馬事業の秘書役のアシスタントが、栗須栄治(妻夫木聡)である。大手会計事務所を退社して耕造に引き抜かれた。競馬にはまったくの素人である。そんな栗須に耕造はたずねる。

「馬はレースを勝ちたいと思っているか? 俺はそう思う。ゴールにたどり着いてほかに誰もいない景色をみれば、自分が勝ったことがわかっている」と。

「有馬記念優勝」の夢へ周りを巻き込みながら突き進む山王耕造

 物語は、ふたりが出会った2011年から始まる。そして、18年1月、耕造は競馬事業を独立させて新会社として、本体の会長となって事業は新社長の息子の優太郎(小泉孝太郎)に譲る。その少し前に週刊誌の記事によって、かつてつきあっていた銀座のホステスをしていた中条美紀子(中嶋朋子)が自分の息子である、中条耕一(目黒蓮)を耕造にはだまって生み育てていたことを知る。

 耕一(目黒)は、父・耕造の援助を一切断るのだった。母親の美紀子がテレビで競馬中継を楽しみみていたことと、「ロイヤル」の名前を冠した耕造の競走馬を応援していた影響からか、耕一は大学の「競馬研究会」の中心的なメンバーとして競走馬の血統やどんな状態の馬場で勝ちやすいのか、といった競馬について詳しかった。

息子に託される夢

 こうした中で、耕造がガンに侵されていることがわかる。財産の相続を拒否している耕一に対して、所有している競走馬の「相続限定馬主」になることを提案するのだった。

 「相続限定馬主」とは、馬主になる高額の収入などの条件はないが、馬主になれるのは相続した競争馬に限られる。競走馬登録ができるのは日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターに入厩することを条件に1歳11カ月からとなっている。

 「有馬記念」優勝の願いを込めた「ロイヤルホープ」がその夢を果たせなかったので仔馬を残そうと、耕造は考える。仔馬はまだ種付けもされていない状態だったため、競走馬登録し「相続限定馬主」認定されるのに3年は必要となる。耕造はそれまで生き抜こうと決心した。

 ロイヤルホープの種をつける候補として挙げた牝馬に対して、耕一は反対するとともに、耕造が所有しているロイヤルハピネスなら血統的に問題のない優秀な仔馬が生まれる、と断言する。


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