2025年12月18日(木)

勝負の分かれ目

2025年12月18日

どこが来ても欧州の“強豪”

 3試合目はすでに見た通り、欧州プレーオフBの4カ国全てを想定しておく必要がある。確かなのはどこがきても、それなりにタフな相手になるということ。

 FIFAランキングではウクライナが最も高く、ポーランド、スウェーデン、アルバニアの順になる。選手個人にフォーカスすると、ポーランドはワールドクラスのストライカーであるロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)を擁する。スウェーデンは市場価値が1億2000万ユーロ(220億円)とも言われる大型フォワードのアレクサンダー・イサク(リバプール)ら個人のタレント力では4カ国でナンバーワンとみられる。アルバニアは国のネームバリューこそ落ちるが、仮に3カ国を倒して勝ち上がってくれば、かなり勢いに乗ってくる可能性が高い。

もう一つの敵は「移動」

 そうした相手を分析して、周到に準備するためにスタッフの役割は重大だ。森保監督は本大会に向けてスタッフの増員をリクエストし、日本サッカー協会(JFA)の技術委員長を兼ねる山本昌邦ナショナルチームダイレクターを筆頭に、スタッフ増員に動いているようだ。

 「情報収集から相手の傾向、我々の対策をどうしていくかをよりしていきたい」と森保監督。すでに東京大学や筑波大学などから集められた若手アナリストがチーム分析に力を発揮しているが、より充実した陣容で本大会に備えるとみられる。

 それと同時に、現地での移動や荷物の運搬をスムーズにすることで、余計なタイムロスや選手のストレスをかけないために、エキップメントマネージャー(エキップ)を増やすことも計画されている。エキップとはチームのスケジュール管理、用具の整備、トレーニングや試合の準備、食事の手配など、現場の選手・コーチ・監督がスムーズにトレーニングや試合 に臨める環境を整える仕事だ。

 特に今回はアメリカ、メキシコ、カナダという3カ国を跨ぐ広大なエリアが舞台になる。日本はグループリーグの3試合がアメリカ南部テキサス州のダラス、メキシコ北部のモンテレイ、ダラスと比較的、短い距離の移動で済むが、決勝トーナメントになれば、メキシコシティやカナダのバンクーバーが会場になる可能性もある。

 時差に関しては9月のアメリカ遠征で、西側のオークランドから東側のコロンバスへと横の移動を経験しており、そこでかかる負担も考えて、できる限り時差が少ない中央をベースキャンプにするプランが定まっている。

 そして優勝をかけたファイナルが行われるのは大都市ニューヨークと隣接する、ニュージャージーにあるメットライフスタジアムだ。抽選会の後、大会中に日本が滞在するベースキャンプの候補地を視察した森保監督は、最後ニューヨークに渡り、メットライフスタジアムを視察したという。


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