膨張ばかりで
意味をなさない水産予算
スルメイカに限らず、漁獲枠の増加ないし削減に反対する際、漁業者(団体)からはしばしば「資源評価が不確実で当てにならない」との声が挙がる。実際のところ、資源評価に充てられる予算は少ない。
水産庁の資料によると、25年度予算における「水産資源調査・評価推進事業等」の費目は70億円、資源評価等を委託している外郭機関である水産研究・教育機構(水研機構)の運営交付金は190億円で、併せて260億円。25年度水産予算総額(24年度補正含む)3200億円の6%に過ぎない。水研機構は日々の運営費にも窮しており、自らの施設修繕すらできなくなっている。
改正漁業法の下で資源評価対象魚種は拡大される一方で、運営交付金は据え置かれたまま。水研機構の研究者ばかりにしわ寄せがいっている。「資源管理の徹底による水産資源の持続的な利用」というお題目の下に改正された漁業法の下、水産庁の予算はそれまで2300億~2400億円(24年度補正含む)だったものが3000億円超と大幅に増額されている。しかし肝心の資源管理予算に大きな変化は見られない。
では、私たちの税金は何に使われているのか。25年度予算(24年度補正含む)を見ると、その大半は、漁港の整備・維持といった公共予算(1216億円、38%)、あるいは燃油代・漁船・漁具等の補助金(430億円、13・5%)、漁業者に対する減収補填(385億円、12%)といった漁業補助金に充てられている。25年度の補正予算は過去最高の1398億円で、公共工事に339億円、燃油等補助金に232億円、減収補填に183億円と〝大盤振る舞い〟である。26年度の概算要求にしても、補助金ばかり増えている具合である。
さらに漁業補助金には「震災復興予算」という名目の下、水産予算本体にはない復興庁の予算という「裏座敷」が用意され、福島および近隣県における漁船建造等の補助金として201億円が26年度の概算要求に積み上げられている。25年度の44億円から大幅な増額である。
確かに東日本大震災によって被災地は甚大な被害に見舞われた。しかし3・11からまもなく15年が経とうとしているのにそこまでする必要があるのだろうか。

