Economist誌(電子版)が、2026年の世界を展望する特集記事の一つとして、「16年の欧州連合離脱(Brexit)の国民投票は欧州との関係における英国の位置を恒久的に決着させた訳ではないように思われる。次の2、3年は世界的な地政学上の変化が双方を相互近づけるように働く可能性が高い」という記事を掲載している。要旨は次の通り。
26年はデビッド・キャメロンによる16年のBrexit国民投票から10年目にあたる。
世論調査によれば、56%もの多数がBrexitは間違いだったと考えているが、Brexitを逆戻りさせることは三つの理由で簡単ではない。第一に、16年以前に立ち戻ることは不可能である。英国は再度加盟を申請し、条件を交渉することになるが、リフォームUKと保守党は強く反対するので無理難題である。英国は欧州連合(EU)予算のリベートを再び手にすることは出来ないであろうし、ユーロに加わることに同意する必要があるかも知れない。
第二に、EUは16年以来著しく変わった。EUは外交・安全保障政策で遥かに活動的になり、多数決を多用し、大きな借り入れを含め予算は大きくなっている。
第三に、労苦を強いられる論議を再開したいと思う向きはほとんどない。その代わり、スターマー政権はEUに接近する実際的な方法を追求している。スターマーは食品と植物防疫の基準をEUのそれに揃え、エネルギーや環境の共通のルールに合意することによってさらに貿易上の障害を緩和することを試みている。
地政学上の情勢がEUと緊密な協力を進める根拠を提供している。ロシアのウクライナとの戦争、ドナルド・トランプの奇矯な第二次政権、中東の緊張、これらすべてが強力で共通の欧州の対応を一層切迫したものとしている。
米国の安全の保証への依存を低め欧州の国防支出への依存を高める必要性も同じ方向を示している。Brexit後の英国は、米国とカナダ、およびアジア・太平洋とのつながりを改善したいのかもしれないが、英国は欧州の防衛と安全におけるキープレーヤーだ。
EUとの関係は何処に向かうのか? EUが従来よりもリラックスした状態であることは助けになる。
