2026年2月6日(金)

WEDGE REPORT

2026年2月6日

 ドーム型の大型シアターで開かれたレノボの基調講演は最近のCESではまれに見る大掛かりな演出となった。ファン氏以外にも半導体大手、米インテルのリップ=ブー・タンCEOや米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のリサ・スーCEO、米クアルコムのクリスティアーノ・アモンCEOらIT分野の著名経営者を次々とステージに招き、講演時間は実に2時間にもわたった。

レノボは「パーセプティブAI」など新たなIoT端末を発表

 そうした中でレノボが新たに発表したのが同社AIの「QIRA(キラ)」だ。クラウド側ではなく、パソコンやスマートフォン、ウエアラブルなど端末側で動くパーソナルエッジAIで、ヤン氏はこれらを「Perceptive(パーセプティブ=知覚)AI」と名付け、個人の生産性を向上させるAIコンパニオンとして販売していく考えを表明した。端末もパソコンやスマートフォンだけでなく、スマートグラスやネックレス型のペンダントなどの新端末を披露し、新しいパーソナルなAI活用のあり方を提案した。

 見本市の会場でもレノボが発表したような新しいIoT端末が各所で見られた。米アマゾン・ドット・コムは同社の監視カメラ「Ring(リング)」のネットワークを活用し、米国内のサービスエリアであれば、屋外にいても居場所を特定できる見守りリストバンドの「Littlebird(リトルバード)」を発表した。徘徊老人や迷子などもそのバンドを装着していれば居場所を特定できる「Amazon Sidewalk(アマゾン・サイドウォーク)」というサービスだ。

米アマゾンが発表した見守りリストバンドの「Littlebird」

 ウエアラブル端末ではアマゾンが半年前に買収したAIリストバンドの米スタートアップ、Bee(ビー)の新製品も発表した。見かけは通常のヘルスケア用のリストバンドと変わらないが、内部に高性能なマイクを搭載し、周囲の会話や自分の声などを自動で録音し、その情報をクラウド経由で要約やメッセージにして、スマートフォンに表示したり、SNSで相手に送信したりできるという。新しい個人の生産性向上ツールとして来場者に関心を呼んでいた。

「ヘルステック」や「エイジテック」などに注目

 ヘルステック分野ではベンチャー企業などが集まる会場の中央に設けられた「AARP(全米退職者協会)」のブースが今年も存在感を放っていた。同団体は年齢50歳以上の生活支援を行う全米最大の非営利組織(NPO)で、保険の提供や健康相談などを行う一方、高齢者向けのデジタル技術を開発するエイジテック企業を支援している。スピーカーを使わず周囲に音が漏れないように振動で音楽などを聴けるようにした安楽椅子などユニークな技術が多数展示されていた。

「エイジテック」を掲げた米AARPの巨大ブース

 日本勢ではパナソニックがヘルステックを初めて大々的に披露した。昨年秋から日本で商用化している「RizMo(リズモ)」という小型のデバイスで、お腹のあたりに装着しておくことで体温や睡眠の時間や深さなどを計測してくれる体調管理サービスだ。初期費用32ドル(日本では5500円、月額利用料500円)で北米でもサービスを展開していくという。

パナソニックが発表した体調管理モニターの「RizMo」

 ほかにも反射運動による顔の表情の変化を読み取ることで、脳の年齢と実際の年齢の乖離を計測してくれる技術の体験コーナーを設け、自分の脳年齢を知りたい来場者が長蛇の列をなしていた。


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