もうひとつ今回のCESで特に目立ったのが「Humanoid(ヒューマノイド)」と呼ばれるヒト型のロボットだ。4足歩行の犬型ロボットで知られる米Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)を買収した韓国の現代自動車(Hyundai Motor=ヒョンデ)は、ボストン・ダイナミクスが新たに開発したヒト型ロボットの「Atlas(アトラス)」を発表した。人間と同様の2足歩行に加え、首や身体を360度回転できるのが特徴で、工場などで人間の代わりを務めるロボットとして発売していくと表明した。
ヒューマノイドで韓国や中国の企業が躍進
韓国のLG電子も「CLOiD(クロイド)」と名付けたヒト型ロボットを発表した。クロイドは同社が展開するロボットのシリーズ名だが、今年は洗濯や料理ができるヒト型ロボットを新たに投入。AIやロボット時代の「家事労働ゼロ」を目指すとして、ロボットを実際に使った演出をブースで行った。LG電子はほかにも人間とAIの橋渡し役を担うコミュニケーション型の小型ロボット「Q9」を開発しており、ロボット時代の到来を予見させる展示となった。
ヒューマノイドに最も積極的なのが中国のベンチャー企業だ。Unitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス)が開発したヒト型ロボットの「G1」を展示したブースは常に人だかりが絶えなかった。
ユニツリーはボストン・ダイナミクスと同様、4足歩行の犬型ロボットで注目されたが、ヒト型ロボットの量産モデル「G1」は1体が約1万6000ドル(約250万円)とライバルメーカーより1ケタ安く、ヒューマノイドの価格破壊者として注目されている。ブースではロボット同士のボクシングやアクロバット回転などのデモを行い、来場者はスマートフォンで盛んにビデオ撮影していた。
2足歩行ロボットといえば、本田技研工業(ホンダ)が2000年に発表した「ASIMO(アシモ)」がその原型といえる。それから4半世紀が経過し、AIの登場で2足歩行はもちろんのこと、指先までも人間と同じ作業ができるようになった。
会場でヒト型ロボットを展示していた約40社の企業のうち、半分以上は中国企業で、日本からオリジナルのヒト型ロボットを出品していたのはロボットベンチャーの川田テクノロジーズくらいだった。フィジカルAIが注目される中、最もポテンシャルがあるはずの日本製ヒューマノイドをほとんど見られなかったのはとても残念だった。

