2026年2月9日(月)

勝負の分かれ目

2026年2月9日

まちのにぎわい創出を期待するも…

 経済産業省とスポーツ庁が立ち上げた産官学による「スポーツ未来開拓会議」が2025年4月に公表した「今後のスポーツの成長産業化を見据えた、当面の取組等についてのとりまとめ」では、21年時点で10兆円だったスポーツの市場規模を、遅くとも30年までに15兆円とすることを掲げる。

(スポーツ未来開拓会議~今後のスポーツの成長産業化を見据えた、当面の取組等についてのとりまとめ~より) 写真を拡大

 実はこの中でも、スタジアム・アリーナの整備は、特に成長が期待される分野と位置付けられ、地域活性化やまちづくりの核としての役割も期待される。

 実際、日本国内では近年、新たなスタジアム・アリーナの整備が各地で進んでいる。 その多くは、プロ野球(NPB)の2軍、Jリーグ、16年秋に発足したプロバスケットボールリーグ・Bリーグの拠点だ。

 Jリーグと同様、Bリーグもカテゴリーに応じた観客席基準が設けられ、最上位の「Bプレミア」は収容人数5000以上でスイートルーム設置など基準を満たす必要がある。 かつては競技場・体育館といったように「する」がメインだったが、近年のスタジアム・アリーナは、エンターテインメント要素や飲食関連を充実させるなどの「みる」「訪れる」の視点が盛り込まれるようになった。

 実際、プロ野球・日本ハムが自前で23年に開業した新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」や、J1のV・ファーレン長崎やBリーグの長崎ヴェルカの本拠地で、両クラブを傘下に持つジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)が新たに整備した「長崎スタジアムシティ」、広島市内のまちなかに市が主体となって整備したJ1サンフレッチェ広島の本拠地「エディオンピースウイング広島」などは、試合観戦を楽しむだけでなく、複合施設として「滞在時間」を増やしたり、「試合がない日」でも訪れたりできる「にぎわい」スポットとなっている。

 しかし、こうしたにぎわいを創出できる事例はまだ一部にとどまる。

秋田だけの問題ではない

 特に、地方都市にとって、建築資材の高騰などもあって整備費の負担は重くのしかかる。Jリーグの本拠地をみても、ほとんどの整備主体は自治体となっており、クラブが自前でスタジアムを整備するケースは財政面の問題からもほとんどない。Jクラブの「行政依存」が浮かび上がる。

 秋田に限らず、例えば、J3の鹿児島ユナイテッドFCの本拠地がある鹿児島市が進めるスタジアム整備も、費用負担をめぐって、県やクラブ、地元のサッカー、ラグビーの各協会との協議は今後の課題として立ちはだかる。


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