2026年2月9日(月)

勝負の分かれ目

2026年2月9日

 一方で、J1ライセンスの収容人数である1万5000人以上のスタジアムについては、人口減少や建設コストの高騰など各自治体、地域の事情を考慮して、一定の要件を満たせば5000人以上で認められる緩和措置もとられていることを改めて強調した。

 リーグ側としては「志が低い」発言の撤回はしなかったが、秋田の本拠地が上限1万人で検討されたとしても、特段の事情があれば緩和する姿勢を容認したとも受け取れる。

 少なくとも、今後の検討状況に対して「志が低い」というトーンで口を挟むことはできなくなっただろう。

公費負担には厳しい声も

 リーグ発足時の1993年には、日本におけるプロスポーツリーグの本拠地はプロ野球12球団に限られていた。そこに10のJクラブが発足したことで、ホームタウンには他都市にはない「プレミア感」が存在した。

 しかし、現在はJ1~J3まで全国に60クラブが存在する。リーグの理念が日本に浸透した成果である一方、Jクラブがある都市の付加価値も薄まっている。

 こうした状況では、「地域活性化」を建て前にJクラブへの支援を行政が簡単には行えなくなっている。さらに、Jクラブへの公費負担には厳しい声も出ている。

 FC東京の本拠地「味の素スタジアム」がある東京・調布市は25年8月、クラブと「包括連携に関する協定」を締結したことを発表した。協定には、スタジアムに近接する国有地に新たな練習場拠点の整備が盛り込まれた。クラブは28年度からの供用開始に向けて練習場を移転させる。

 しかし、朝日新聞は26年1月19日付の記事「FC東京の練習拠点、調布の基地跡地に整備へ 公金負担に疑問の声も」で、「市税で特定のチームを応援するのか」などと不満の声もあがっていると伝える。

 Jリーグは半年後の8月から欧州型の秋春制のシーズン移行に舵を切る。新シーズン以降を控え、2月6日からは半期で競うリーグ戦が特別にスタート。その名も「百年構想リーグ」だ。

 Jリーグの後に誕生した多くの競技リーグが参考にし、プロ野球にも波及するほどに大きな影響力をもたらしたJリーグの「地域密着モデル」はいま一度、原点に立ち返るときにきている。

Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る