2024年12月24日(火)

今月の旅指南

2014年7月25日

 琵琶湖の南、瀬田川を舞台に繰り広げられる、夏の一大ページェント「船幸祭(せんこうさい)」。建部(たけべ)大社の祭神、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際に海路をたどったという故事を再現したもので、8月1日の榊立(さかきだて)神事に始まる建部大社の夏祭りのフィナーレを飾る。

御旅所では祝詞奏上や神楽舞の奉納などが行われる

 「現在の船幸祭は大正4(1915)年に再興されたもの。以前の記録は残っていませんが、通常の神輿の巡行だったと思われます。当時、洗堰(あらいぜき)ができたことで水量が増え、船渡御が可能になったのではないでしょうか」と、建部大社禰宜(ねぎ)の大宮力さん。

 祭り当日は、17時に出御祭(しゅつぎょさい)が営まれ、神輿が瀬田川まで運ばれる。瀬田の唐橋から神輿を載せた船とともに神職船、神楽船など20隻が従って川を下り、御旅所のある南郷洗堰黒津浜(なんごうあらいぜきくろづはま)へ向かう。別宮と若宮から神饌(しんせん)が供えられ、御旅所祭が斎行された後、船は再び瀬田の唐橋まで戻ってくる。この頃にはすっかり日も落ち、船には提灯が掲げられ、花火が夜空を彩る。

 「花火は神輿の動きに連動し、浜に上陸したときや橋の上に差し掛かったときなど、タイミングを合わせて打ち上げられます」

 瀬田川の涼風に吹かれながら、夏の夜の夢のようなひとときを楽しみたい。

船幸祭
<期間>8月17日
<会場>滋賀県大津市・瀬田の唐橋周辺(東海道本線石山駅下車) 
<問>建部大社 077(545)0038
http://takebetaisha.jp/event/senkousai/

*情報は2014年6月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

 

◆「ひととき」2014年8月号より

 

 

 

 

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