2026年3月5日(木)

酷似する 「戦間期」と現代

2026年3月5日

──高橋是清が財政運営を担った当時と現代に類似する「財政危機の構図」をどう見ているか。

幸田 国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループは、今年1月に発表した「2026年世界10大リスク」の中で、第1位にトランプ大統領による権限集中を伴う「米国の政治革命」を挙げた。さらに、10大リスクのうち4つが米国に関するものであり、世界の分断や不確実性において米国が占める比重の大きさが浮き彫りになった。

 現在、世界各地で不透明感が増し、「力による現状変更」の動きが強まる中、防衛力の強化は各国共通の課題となっている。日本も例外ではなく、防衛費の倍増を掲げている。今後、トランプ氏からさらなる増額が求められる可能性も否定できない。

 こうした状況を歴史に照らし合わせると、当時と現代には驚くほどの類似点が見えてくる。一言で集約するならば、「歳出増加のリスク」が飛躍的に高まっている現実である。財政の舵取りを誤れば、国家の信認はたちまち揺らぎ、日本の将来もまた、不安定なものになりかねない。

 類似点をいくつか挙げたい。

※こちらの記事の全文は「Wedge」2026年3月号に掲載されている「酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ」で見ることができます。

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Wedge 2026年3月号より
酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ
酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ

「新しい戦前になるんじゃないですかね」─。今から4年前、テレビ朝日の『徹子の部屋』でタモリさんが口にした言葉だ。 どのような意図で発言したのかはわからない。ただ、コロナ禍だった当時、全体主義体制を称揚するような空気が漂い、議会制民主主義の危機も顕在化し、「1930年代」に時代が近づきつつあると感じていた私は、その言葉に妙な〝重み〟を覚えずにはいられなかった。 昨今の様々な出来事を見るにつけ、その感覚は確信へと変わった。時代は、当時の「戦間期」を思わせる局面に入り、大国指導者が世界の行方、人類の運命を左右する時代になったのである。このままでは、最悪の場合、第三次世界大戦が起こる可能性も否定できない。 ただ、もし戦争になったとしても、大国指導者たちが戦場に行くことはない。いつも犠牲になるのは、市井の人々である。 英国を代表する歴史家、A・J・Pテイラーは、『ウォー・ロード 戦争の指導者たち』(新評論)最終章で日本のことを取り上げ、こう指摘している。「日本は戦争の指導者はただの一人もいなかった」 つまり、指導者不在のまま、日中戦争、太平洋戦争へと突き進み、日本は破滅したのである。当時、大衆も熱狂し、政治はそれに流された面もある。 一度始まった戦争を終わらせることは容易ではない。それは4年が経過したロシア・ウクライナ戦争を見れば明らかである。動乱の時代、今こそ歴史に学び、教訓、希望を見出し、この危機から「脱出」する必要がある。


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