2026年4月1日(水)

Wedge REPORT

2026年4月1日

何ができるのか

 魅力を伝えるという点では、その人材育成も重要である。例えば、隣の秋田県は、秋田県建設産業活性化センターを開所し、「担い手確保育成推進員」を設置し、出前説明会、建設業ふれあいフェア、女性の活躍推進と支援、離職防止対策など様々な取り組みを行っている。

 特定の産業のために行政がそこまでするのかという見方もあるかもしれない。しかし、建設業が地域に果たす役割の大きさを考えれば、自治体がこうした取り組みを積極的に行うことは非常に重要である。

 また小中学校校舎や生活インフラの老朽化対策を進めることは、未来を担う若者の教育環境を改善し、また住民の命を守り、福祉の向上にも繋がる。といっても地方自治体の財政状況を踏まえれば、実施は容易ではない。

 国は、大手ゼネコンだけが潤うような大都市の再開発や高層ビルの建設ばかりに目をやらずに、地方の老朽化対策に予算をつけることで地方建設業の経営を安定化させるべきであろう。また住宅リフォーム助成制度の経済効果の大きさを考えれば、そうしたことに国が財政を投入することで建設業者だけでなく関連する企業にも良い波及効果が期待できる。

 国は、地方の建設業者の現状を自分ごととして考え、その解決に向けて、積極的に動いていくことがかつてなく求められている。それこそが自然災害大国日本に住む我々国民の生活を持続可能にしていくのである。

注)この記事は、柴田徹平(2025)「持続可能な地域経済の条件と建設若年雇用―岩手県沿岸地域を対象として―」『経済学論纂(中央大学) 第66巻第1・2合併号』の知見を踏まえながら執筆しました。

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