2026年4月22日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月22日

 また、この戦争が先端技術分野での覇権、海外でのエネルギー・鉱物資源の確保、グリーン技術の重視やエネルギー源多角化等を目指していた習近平の政策を正当化するものだとして評価している点も注目される。レアアースなど米国の弱点を突く戦術が功を奏したとして、今後の米国との関税戦争にも強気の姿勢で臨むと予想される。

 そして、石油危機は、中国で生産過剰状態にある太陽光、電気自動車(EV)、リチウム電池等グリーン技術製品に対する世界的な需要を喚起する点で好機であり、ホルムズ海峡の緊張が続く限り伸び続け、戦後の復興需要でも、中国は期待している。

 トランプは、第1期政権では中国をイデオロギー的にも最大の戦略的競争相手と位置付けていたが、第2期政権ではアメリカファーストの立場からの経済的利益や当面の安定をより重視するようになっている。特に経済面では、中国からの自由な投資と輸入に扉を閉ざし、戦略的に重要な技術からは締め出し、米国の利益優先の一方的な貿易体系を作ろうとしてきたが、中国はレアアースを武器に反撃し、米国IT企業にとって中国が重要市場であるという切り札もある。イラン問題で石油価格の上昇が続けば、中国が期待するように米国の対中国交渉ポジションもさらに弱まる可能性があろう。

米中首脳会談をどう迎えるか

 いずれにせよ、今後の米・イラン紛争の行方を待つしかない。

 4月初めの停戦実現に関して、トランプは中国の関与を認める発言も見られたが、謝意までは表していない。中国も、独自の努力と説明するだけであるが、イランとの関係や状況の複雑さに鑑みれば深入りはしたくないのであろう。

 米中関係の今後は、5 月の米中首脳会談までにイラン問題がどう展開するかにも影響されると思われ、トランプと習近平の首脳会談での対応が注目される。

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