2026年3月23日(月)

トランプ2.0

2026年3月23日

 世界が注視する米中間選挙で、野党民主党は下院のみならず、上院奪還も視野に入れ始めた。出口の見えないイラン戦争に苦悩するトランプ政権は一段と警戒感を強めている。

米国中間選挙の予備選。イラン攻撃により情勢が変わりつつある(Anadolu /gettyimages)

共和党地盤で番狂わせ

 今年の中間選挙で共和党は当初、全員が改選される下院(定数435議席)で苦戦を強いられるものの、定数100議席のうち33議席が改選される上院では辛勝し、多数体制は維持できるとの見方が支配的だった。ところが、ここにきて急に雲行きがあやしくなってきた。

 きっかけは、去る1月31日、南部テキサス州でも伝統的に強固な共和党地盤で知られるダラス・フォートワース地区の州上院議員特別選挙だった。単なる1地区の選挙とはいえ、民主、共和党候補による一騎打ちの結果は11月中間選挙における同州選出連邦上院議員選挙にも影響するとして、両党とも全国委員会まで乗り出し、自陣候補を支援してきた。

 とくに共和党陣営は、正副州知事が何回も応援にかけつけたほか、トランプ大統領まで自身のSNSで共和党候補への「熱烈支持」を表明すると同時に、同州の「すべての愛国者」向けに「必ず投票所に足を運び、共和党候補に投票してほしい」と直接呼びかけた。

 ところが、結果は事前の予想を覆し、全くの新人で若干33歳の地域労組委員長を務める民主党候補がベテランの女性共和党候補に得票率57%対43%の大差で勝利した。地方テレビの解説者は「テキサスにおける政治的大地震」とコメントした。

 今後の州議会における共和党支配体制自体には変化はないものの、番狂わせの結果を伝える「至急報」は、ワシントン政界でも大きな話題となり、民主党全国委員会ではただちに、「トランプ政策に対する不満の鬱積を反映したもの」との声明を発表するなど歓迎ムードが広がった。一方のトランプ氏は失望の色を隠せず、記者団から感想を聞かれると、「たんに1地方の話だ」と語るにとどめた。

 この結果を踏まえ、全国メディアの関心は早くも、11月中間選挙でのテキサス上院議員選に集まり始めた。というのも、同州では永年にわたり、上院議員ポストは2議席とも共和党が独占してきており、民主党にとっては1議席だけでも奪回することが“悲願”となっていたからだ。もし、テキサスで民主党勝利となれば、共和党の上院死守も一層厳しくなる。


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