2026年3月23日(月)

トランプ2.0

2026年3月23日

 共和党は、ニューハンプシャーでも、ジャンヌ・シャヒーン現職上院議員(民主)が引退したのを受けて、議席奪回のチャンスをうかがっている。

明暗を分けるイラン情勢

 米上院をめぐる過去の攻防を振り返ると、戦後、永年にわたり民主党支配が続いてきたが、1980年選挙で共和党が28年ぶりに多数を奪回して以来、今日に至るまで、共和党が12回、民主党が11回制しており、ある意味でバランスのとれた2党体制が維持されてきたと言える。そして、とくに中間選挙の年の上院選では、下院選同様、野党が勢力挽回し、政権党が少数派となるケースが続いてきている。

 しかし今回の場合、トランプ大統領にとっては、上下両院とも、何としても譲れない状況に置かれている。

 まず、下院を民主党が制すれば、再び弾劾訴追される可能性が高いほか、予算審議などの面で、看板政策の一つである諸外国に対する身勝手な関税措置などの抜本的見直しを迫られることにもなりかねない。その上、上院も民主党に明け渡すことになると、下院の弾劾訴追を受けて上院での罷免裁判で”被告席“に立たされるほか、外交政策遂行面でも苦しい立場に追い込まれ、レイムダック化が一層加速することは必至だ。

 さらにここにきて暗雲が立ち込め始めたのが、出口の見えないイラン戦争の展開だ。

 攻撃開始から2週間を過ぎたが、トランプ大統領が当初、描いた戦争目的についても、「体制転換」「親米政権樹立」「核兵器生産能力の完全破壊」など、大統領のみならず関係閣僚の説明までその都度揺れ動き、いまだに判然としていない。それでももし、今後、戦況の“泥沼化”の前に所期の目的をある程度達成し、停戦にこぎつけられれば、共和党は中間選挙に向けて劣勢を跳ね返すことは可能だ。

 しかし、かつてのイラク戦争同様、逆にこのまま出口の見えない戦争が続けば、国民生活への影響もさらに広がり、共和党は上下両院ともに民主党に明け渡す最悪の事態を迎えることにもなりかねない。トランプ大統領の焦りは深まるばかりだ。

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