4.“fascist”
トランプ前政権下で首席補佐官(日本の官房長官に相当)を最も長く務めたジョン・ケリー海軍大将が「ニューヨーク・タイムズ紙」(24年10月22日付け)との実名インタビューで語った。
実直さで知られるケリー大将はこの中で「彼は合衆国憲法や法の支配という概念への理解を欠いている。政府による統治というものに、独裁者のように取り組んでおり、まさにファシストの定義に合致するし、許されるならば独裁者のように統治するだろう」「この国の憲法上の意味や、この国の私たちの価値観、家族や政府に対する見方を含めたものの見方、そうしたものをほとんどすべて拒絶する大統領は私が知る限り、少なくとも私が生きている間は間違いなく、ほかに一人もいない」と述べた。
当時、大統領選で民主党候補だったカマラ・ハリス副大統領も、この指摘について「トランプはまったく無軌道に好き勝手をする人物であり、明らかに一般的なファシストの定義に当てはまる」とコメントした。
5. “useful idiot”
トランプ政権1期目の18年から2年間、国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏が退任後、自らの回想録などの中で使い、話題となった。
“useful idiot”は、直訳すると「有益な馬鹿」だが、政治用語として特に冷戦期に、本人が気づかないまま実際には共産主義国に都合よく利用されている西側の政治家たちを指す言葉として知られ、旧ソ連指導者の間で侮蔑的な意味合いを込めて使われた。こうしたことから、ボルトン氏はトランプ氏に関し、次のように語っている:
「”useful idiot”とはかつてレーニンが好んで使ったもので、トランプを形容するにふさわしい。なぜなら、トランプはロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席との個人的関係を信じ込んでいるが、それらの関係はけっして互恵的なものではない」
「彼は基本的に、地政学的知識を欠き、自分個人の利益のために、国際関係を不動産取引のように扱い、プーチンのような独裁者に簡単に影響される」
特にトランプ氏が、プーチン氏との対面で卑下した態度を示した端的な例として今なお話題に上るのが、18年7月、フィンランドのヘルシンキで行われた両首脳同士の2時間以上にわたる秘密会談だった。
やり取りの中身は公表されなかったが、トランプ氏は会談後の共同記者会見で隣のプーチン氏の顔色をうかがうような表情で、16年米大統領選へのロシア介入疑惑について「プーチン氏が強く否定しているのだから、それを受け止める」と答えたため、米国ではメディアだけでなく、議会でも多くの与野党議員の間で「米国情報機関の報告書を否定し、プーチンの言いなりなった」として大問題となったいきさつがある。
従って、ボルトン氏が指摘する通り、かつてのレーニンのみならず、今日のプーチン体制もトランプ氏を“useful idiot”とみなしている疑いはぬぐえない。
