イランについても、中国の関与は今後とも提案や調停役に留まり、イランに圧力をかけたり、リスクを負う役割を引きうけたりすることはないだろう。トランプとしても 2週間の停戦が実現したが、その後交渉は決裂し、現在行っているホルムズ海峡の逆封鎖で今後紛争がどのような展開をたどるかは分からず、海峡の自由航行を保証するような役割は中国には期待できない。
しかし首脳会談が開催されるのであれば、双方にとって成果が必要となり、会談時点で、トランプがイランとの関係で中国の関与をさらに期待するような状況であれば、習近平から再度何らかの提案や仲介の申し出が行われる可能性もある。リスクを負わない外交で影響力に限界があると云っても、それなりに意味のあるものとして、トランプのこと故、中国に期待して、台湾問題その他で譲歩してしまう恐れは排除できない。
イランの非核化と中国
他方、イラン情勢次第では、首脳会談が再延期される可能性もあろう。米中間の問題で会談の成立自体に影響しかねないのが、中国によるイランへの武器供与と核関連資機材の輸出問題である。
中国が肩掛け式ミサイル発射装置をイランに供与する準備を進めているとのCNN 等の報道があり、中国はこれを否定しているが、トランプの50%関税措置発言も出ている。加えて、核開発にも利用可能な資機材が中国からイランに供給されているとの疑いもあり、その事実が確認されればこの問題が首脳会談の障害となる可能性もある。トランプは、イランの非核化に対する中国の協力や貢献を求めるべきであろう。

