2026年5月8日(金)

日本の縮充化

2026年5月8日

まちに関わる方法は多種多様
縮充の「充」をつくる

 地区に関わる方法は様々だ。宿泊だけではなく、空き家を活用して場所を選ばずに働く「ノマドワーカー」として滞在している人もいるという。

 現在は誰でも参加できるランタンイベントなどを行うなど、町内外に向けた新しい取り組みも行う。25年からは「道の駅ひらふく」の指定管理者にもなり、宿泊施設だけではない、地区を挙げた活性化に取り組む。

 佐用町観光協会の北村広樹さんは、佐用町と人との関わり方についてこのように語った。

 「佐用町の魅力を知ってほしいと考え、取り組みを行っていますが、だからと言って必ずしも定住を求めているわけではないのです。地区を通る際に宿泊したり、イベントに参加したりと、地区に関わる人をさらに増やしていくことから、町を盛り上げていきたい。100年後にも人が通り続ける宿場町になってほしいという町の未来への想いです」

(向かって左から)佐用町観光協会会長の北村広樹さん、道の駅宿場町ひらふく代表取締役の四方田康次さん、かのね取締役の川田嘉男さん

 町に住む、仕事をする、観光で訪れる。それ以外の、「通りかかる」人も含めて町をつくっていきたい。

 佐用町の来る人を拒まずに「みんなで」町をつくる考え方は、住民だけではなく、結果的に、多くの人が訪れやすく、声を上げやすい「充実した」環境につながっていくのではないだろうか。

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Wedge 2026年4月号より
縮む地方 膨らむ東京 日本の縮充化こうすれば実現できる
縮む地方 膨らむ東京 日本の縮充化こうすれば実現できる

「日本列島を、強く豊かに。」を掲げ、先の衆院選で高市早苗首相率いる自民党は圧勝した。信任を得たからにはその実現に向け、全力を挙げるべきであることは論を俟たない。一方で、見過ごしてはならないことがある。東京を筆頭に都市は膨らみ続ける一方で、地方では縮小が先行している現実だ。日本には、実に「多様」な地方があり、そこにしかない「営み」がある。その価値の上に、この国家が成り立っていることを忘れるべきではない。歴史的転換点にある中、「豊かさとは何か」を再定義し、「縮小」しながらも「充実」させる〝縮充化〟の実現に向けて新たな一歩を踏み出す時だ。


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