2026年6月4日(木)

教養としての中東情勢

2026年6月4日

 一方のトランプ大統領が望んでいるのは早期決着。最近の米テレビとのインタビューでは「戦争が終わろうがどうでもいい」と述べ、イラン側の抵抗にうんざりした感想を漏らしていた。

 米国では、戦争でガソリンの高騰が続き、与党共和党からも戦争に反対する声が強まり、トランプ氏のイライラは高まる一方。イラン側のしぶとい粘りに「投げ出したいのが本音」(米専門家)。飽きっぽい同氏は面倒なイランよりも国民の支持がより高いキューバの政府転覆などに関心を移しつつある。

「甘言に乗り参戦」を“逆恨み”

 米専門家によると、トランプ氏は「イランの最高指導者ハメネイ師を殺害すれば、政府転覆できる」というネタニヤフ首相の甘言に乗ってイランを攻撃したことに後悔し始め、4月ごろから首相に対する不満を一段と強めていたようだ。中東の戦争には関与しないと言ってきたのに、まんまと誘い込まれたとホゾをかんだ。

 元々ギクシャクしていた2人の仲は「戦争がうまくいかなくなって悪化するのは目に見えていた」(同専門家)。トランプ大統領の周囲では最近、不愉快なことが相次いだ。建国250周年記念コンサートに出演を予定されたアーティストたちが次々に辞退、大統領は「三流の歌手のくせに恥を知れ」などと激怒していた。

 著名なワシントンの複合文化施設の名称を「ケネディ・センター」から「トランプ・ケネディ・センター」に改称したものの、連邦地裁からトランプ大統領の名前を削除するよう命令を受けた。同施設の理事長を務める大統領はこの件でも「恥を知れ」と判事を非難した。

 大統領は一連の悪い出来事と思い通りにいかないイラン戦争を一緒くたにし、「自分を引きずり込んだ首相」を“逆恨み”、怒りをぶつけたということだったのではないか。それだけ大統領の焦燥感が深いということだろう。ルビオ国務長官が議会証言で首相のガザ占領政策を批判したのもこうした空気を反映したものだろう。


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