2026年6月23日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年6月23日

 「張亮麻辣烫」を創業した張亮さんも同じく黒龍江省ハルビン市で1985年に生まれた。現在41歳。2008年、23歳のときに1号店を開店した。7年後の2015年には国内外に1000店舗をオープンし、現在は6000店以上にまで拡大している。麻辣湯=四川料理と思っている人がいるかもしれないが、実際は四川系だけでなく、東北系の麻辣湯もある。

麻辣湯チェーン店の一つ「張亮麻辣烫」(筆者提供)

 この張さんについても中国のサイトであまり紹介されていないが、おもしろいのは「俳優の張亮は1978年生まれ、蘇州出身で『張亮麻辣烫』の創業者とは別人」という記述があることだ。他にも、試しに「楊國福」や「張亮」という名前で検索してみると、中国各地に住む同姓同名の人がヒットした。

 筆者は新刊『中国の回鍋肉にキャベツは使わない』で創業者の氏名に着目し、「楊國福さんは中国人にありがちな名前で、張亮さんはさらにありふれた名前。おそらく中国全土に同姓同名の人が1000人か、あるいはもっといるかもしれない」「『張亮さんが今日、張亮麻辣湯で麻辣湯を食べています』なんていうことも起こり得る」と書いた。実際、店名が自分の氏名と同じだったら、どんな気分だろう? と不思議に思ったのだが、広大な中国なら十分ありそうなシチュエーションだ。

 中国は(韓国も同様だが)日本よりも圧倒的に姓が少ないので、同姓同名はとにかく多い。日本でも老舗で、自身の名前をつけた「〇〇三郎商店」のような店名を見かけることはあるが、そういう店が国内どころか世界中に6000店以上もあるというのは、日本人の感覚ではちょっと考えにくい。さすがに中国のスケールは大きいと感じさせられる。

『張偉さん』と『王偉さん』の合計は鳥取県の人口より多い

 そんなことをつらつらと考えていた矢先、中国人の友人がSNSに書いているコメントを見て、筆者は強い興味を持った。それは「日本の人口は年々減少し、鳥取県の人口が最も少ないそうだ。これは中国で最も多い氏名の『張偉さん』と『王偉さん』の合計よりも少ない人口だ」という内容だった。

 調べてみると、鳥取県の人口は51万9148人(今年4月現在、鳥取県のホームページ)で初めて52万人台を割り込んだことがわかった。中国のサイトで調べてみると、公安部戸政管理研究中心が発表した「全国重名最多の氏名リスト」(2025年)を発見。それによると、中国で最も多い氏名の1位は張偉さんで約29万9000人、2位は王偉さんで約29万人いることが判明、その合計は58万9000人で、確かに52万人を割り込んだ鳥取県の人口よりも7万人近くも多いことがわかった。


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