2026年6月23日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年6月23日

 大統領府は、Nvidia(エヌビディア)とAMDが高性能コンピューターチップを中国へ輸出するに当たり、収入の15%を政府に提供するとの条件を付けて認めた。トランプ政権は、サンダースの案に似た形でAI企業の株式を取得することを検討しているという。

 AIは国家安全保障に極めて大きな影響を持つため、政府が何らかの形で関与することは避けられないだろう。しかし米国は、何十年もの間、防衛関連企業と取引を続けながらも、それらの企業の所有権を取得することなく対応してきた。

 米国がAIにおいて世界で優位なのは、起業家と投資家が力を合わせて革新と競争を続けてきたからだ。政治的統制は成長を窒息させ、中国に主導権を明け渡すことになるだろう。もしAIが米国を社会主義へ導く道となるなら、それは歴史的な悲劇となろう。

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奇妙にトランプと重なるサンダース

 この社説が言及するサンダースは、「AI は公共財だ。国民がその半分を所有すべきだ」と題し、6月1日付ニューヨーク・タイムズで次の通り主張する。

 ①AIは最も変革的な技術で、全ての人の生活に影響する、②AIは人間より賢くなり、人間とは独立して機能する恐れがある、③問題は誰が将来を所有し、管理するかだ、④それは我々の生活を豊かにするのか、一握りの億万長者が人間の将来を決めるのか、⑤私は近々Open AI等に一回限りの50%課税をする米AIソブリン・ウェルス・ファンド法案を提案する。それは企業の利益に課税するのではなく、企業に株で払わせる。それにより連邦政府がこれら企業を直接規制できるようにする。そして、これら企業が造り出す何兆ドルという収入を政府は国民のために使う。⑥トランプでさえ大統領令で、SWF設立を提案している。⑦AIの将来と人類の運命がシリコンバレーの密室で決められてはならない、我々米国民が決めるべきだ。

 サンダースの議論は面白い。ポピュリスト的で、扇動的、陰謀的でもある。奇妙にトランプの思想と重なる。しかし何か危険なものを感じさせる。社説は、「一体共和党政治家の誰が、(サンダースに)この国家主義的な思いつきを吹き込んだのか」と問う。


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