2026年7月5日(日)

30分の旅

2026年7月5日

ナラ枯れが引き起こした変化

 どんぐりの木は枯れる直前、キクイムシの開けた穴から樹液をたくさん出す。そのうえ、枯れかけた古木はタマムシの幼虫のうってつけの餌になる。枯れてほったらかしになった木はクワガタやカブトの幼虫の好物だ。つまり、ナラ枯れによって、都会はカブトとクワガタとタマムシの餌だらけになっているのだ。実際、ナラ枯れで弱ったクヌギやコナラの樹液に成虫が群がり、タマムシが産卵に来ているのを何度も目撃している。

 ナラ枯れは郊外や地方でももちろん起きている。人の手が入り、すかすかだった林は深い森になり、どんぐりの木々も巨木化した。ナラ枯れが起きるほど。人里と奥山がつながった。かくして深くなった森を伝い、クマは容易に市街地にまで下りて来られるようになった。

 こうしたことを頭の片隅に置きながら、皆さんの通勤途中の「そのあたりの緑地」でどんぐりの巨木を探してみてほしい。案外簡単に出会えるはずだ。かつて幻だった昆虫界のスーパースターに。ただし、樹液はスズメバチの好物でもある。襲われぬよう、気をつけて。

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Wedge 2026年7月号より
エネルギー依存国家・日本 持たざる「弱み」を「力」に変えよ
エネルギー依存国家・日本 持たざる「弱み」を「力」に変えよ

ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、世界のエネルギー情勢に激震が走った。日本はこれまで気候変動対策や脱炭素をより重視する姿勢を貫いてきた。しかし、従来の「前提」を根底から見直す局面に立たされている。また、各地で原発の再稼働が進みつつあるが、「核燃料サイクル」実現を進めていくうえで、課題は山積している。だが、思考停止に陥ってしまえばこの現状を打破することはできない。今こそ、日本は「ひよわな花」であることを自覚し、持たざる「弱み」を「力」に変えていく時だ。

 


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