Inside Russia

2014年8月6日

»著者プロフィール

国境をはさんで真っ二つに分かれる主張

 一方、米国のケリー国務長官は、親露派勢力「ドネツク人民共和国」の戦闘司令官、イーゴリ・ストレルコフ(ロシア国籍)が事件後に「たった今、トレーズ近郊(墜落現場)でアントノフ26型機を撃墜した」とネット上に書き込んだことも、親露派の犯行を決定づける証拠とした。

 ストレルコフは犠牲となったのがマレーシア航空の旅客機だったとわかると、自らの投降を削除した。書き込みには「これが『鳥が落ちた』ことを証明する動画だ」とも記し、関連先の情報として、ウクライナのメディアが「マレーシア航空機墜落」と報道したものと完全に一致するリンク先を掲載していた。

 レバダセンターの世論調査の結果は、国営系で占められるロシアのメディアがこうした欧米とウクライナの主張をほとんど伝えず、自らに利するプロパガンダしか流していないことと無縁ではない。

 プーチン大統領は事件翌日にはすでに「この悲劇の責任は、その領空で事件が発生した国家にある」との声明を発表。ウクライナのポロシェンコ政権が撃墜事件を誘導したとし、21日には「もし6月28日に(ウクライナ東部で政府軍の)戦闘行為を再開していなければ、この悲劇は恐らく起こらなかっただろう」とも追打ちした。

 ロシア国防省は、さらに墜落現場近くに、ウクライナ軍の地対空ミサイルが配備されていたことを示す衛星写真や、マレーシア機が撃墜される前にウクライナ軍の主力戦闘機スホイ25が、マレーシア機の後方3-5キロ離れた上空を飛行していたことを示すレーダー映像を公開し、ウクライナ軍の関与を強く示唆した。

 ほとんどのウクライナ国民は、ロシア側の主張を真に受けていない。マレーシア機撃墜事件の犯人をめぐる主張は国境をはさんで真っ二つに分かれているのである。

関連記事

新着記事

»もっと見る