2026年8月6日(木)

台湾「麗しの島」の実像

2026年8月6日

もし、「台湾有事」が
起こったら……

中国で2025年に開催された抗日戦争勝利80周年記念軍事パレード(CHINA NEW SERVICE/GETTYIMAGES)

──台湾有事が起こったら世界はどうなると予想するか?

ニューシャム もし、中国が台湾を攻撃すれば、戦争は台湾周辺の小さな地域に留まらず、世界規模の戦争になるだろう。中国の国際貿易は一夜にしてすべて停止し、米ドルへのアクセスも遮断されるはずだ。それは中国に大きな問題を引き起こすのみならず、世界中にも影響を及ぼすことになるだろう。

 我々は、中国が台湾を攻撃した場合に備えた対中戦闘計画を持っている。中国にとって台湾侵攻そのものはどんどん難しくなっている。それは、先述したように米国の支援によって台湾の自衛能力が格段に向上していることも大きい。

 優れた装備と質の高い訓練をしている軍隊は、いざ戦争が始まってもすぐに慣れてうまく対応できるものだ。中国軍には実戦経験がないとはいえ、非常に質の高い訓練を行っていると思う。もし、台湾有事になれば、決して簡単な戦いにはならないだろう。

──有事になった場合、米国はどう行動し、日本はどうすべきか?

ニューシャム 米国は当然、支援を試みるだろう。「もしも」、中国が台湾に軍事進攻をした場合、米軍が長距離ミサイルや潜水艦を使った長距離兵器などで軍事活動を展開すれば、中国軍の活動を困難にできるはずだ。そして、「もしも」の時は、日本の自衛隊も行動する必要がある。さもなければ日米関係は崩壊するだろう。

 数年前、ワシントンに駐在していた元外務省職員が「台湾を巡って戦争が始まったら、日本の動きはその時に考える」と話しているのを聞いた。それを「普通の米国人」が聞いたら、激怒するはずだ。多くの米国人は日本と友人関係であることは知っている。しかし、日本が行動しないのに、「日本を守ることにもつながる台湾のために、あなたの子どもを戦わせるか?」と尋ねれば、彼らは間違いなく「ノー」と答えるだろう。日本人はこうした米国人の世論や本音を知っておく必要がある。

 日本は憲法9条を免罪符のように使っていると感じることがある。もちろん、歴史的な理由から日本が防衛力を強化することに消極的だったことは理解できる。しかし、有事の際に日本が米国に支援を望むのなら、日本も協力する必要がある。やりたくないこともやらなければならないのだ。日米が非常に強固に連携して南西諸島を共同防衛すれば、中国側に侵攻の隙を与えず、強力な抑止力となる。そのため、日米の連携は深まるほど良い。これは軍事的な効果のみならず、心理的なメリットももたらす。

 「日本はただ座っていて、面倒事はアメリカが対処する」といった長年の依存関係から脱却し、お互いに対等なパートナーになるべきである。

 日本が米国を圧倒的な存在として見上げることなく、米国依存から脱却する努力をし続けることで、日米関係はますます強固になるのだ。

─日本が今すぐにでも着手すべきことは何か?

ニューシャム 何よりも、日本は自国の防衛のために、あらゆることを尽くすべきだ。そのためには、適切な規模と装備の自衛隊を持つことが求められる。自らを守る努力をしてこそ、米国にとっても最高の同盟国になる。それこそが、中国の台湾侵攻の強力な抑止につながる。

 ウクライナ戦争やイランの戦争が示す通り、我々は最新のテクノロジーに適応していく必要がある。

 しかし、ここで私は重要なことを伝えたい。ドローンなど兵器は変わったが、「戦争の本質は変わっていない」ということだ。戦争はやはり「戦い」であり、多くの人間を必要とする。ウクライナ戦争における戦闘の一部はまるで、かつての第一次世界大戦のように見えることもある。ドローンは最新兵器だが、それでも「戦争の本質」を変えるものではないのだ。


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