2026年8月21日(金)

WEDGE REPORT

2026年8月21日

アルジャジーラが報じる「アメリカ側の服従の一種」の意味

 だが、ハマスとの直接対談を同じく「異例」と報じた中東の衛星テレビ局アルジャジーラの受け止め方は、少し異なる。この会談は「ハマスが無視できないパレスチナ社会の政治力学であるという事実に対する、アメリカ側の服従の一種」を表しているとの識者の分析を紹介し、「ハマスがいかなる永続的な解決にとっても不可欠な主体であり続けていることをワシントンが認識している」との指摘を報じている。さらに、この見解に同調する別の識者の意見として、米国がハマスを「排除すべき問題」ではなく、むしろ永続的な解決に不可欠な「解決策の一部(Part of the solution)」として認識し始めていると伝え、「軍事面だけでなく政治面でもハマスを撲滅する」という、イスラエルが掲げる戦争の最重要目標の一つと根本から矛盾するものだと指摘している。

ガザでの「実績」を急ぎたいトランプ政権と双方に渦巻く懐疑心

 では、なぜトランプ政権は、これほどまでにハマスとの直接交渉を急ぐのか。一部の専門家は、トランプ氏がイランやレバノンといった他の外交事案で望むような進展が得られないなか、唯一「外交政策の勝利」として記録できる可能性があるのがガザ情勢であるため、打開策を強行していると見ている。

 今回、ハマス代表団と直接交渉した当のクシュナー氏は、ハマス新指導者のハイヤ氏らが「適切な言葉はすべて口にした」と一定の評価をしつつも、「恐ろしい残虐行為を犯したテロ組織を信頼するのは非常に難しい」とFox Newsのインタビューで述べている。あくまで「言葉ではなく行動と実際の手順」によって判断する姿勢だ。ハマスが本当に武器を手放すか、ということへの懐疑心と同時に、ハマス側にはイスラエルが本当にガザから撤退するのかという不信があるなか、解決への道は混迷している。


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