2026年8月21日(金)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年8月21日

 厳しい管理措置を受け入れた結果は、目覚ましいものがあった。21年には初期資源量比21.2%と、日本側があれほど達成は無理だと言っていた初期資源量比20%をわずか数年で超えてしまったのである(後掲の図1参照)。太平洋クロマグロは、その意味で言うと、資源回復の見事な例と言える。

漁獲枠を決める枠組み

 7月の会議で最大の議題となったのが、太平洋クロマグロの漁獲枠を決めるための枠組みの合意だった。

 資源を適正な水準に保ち持続可能な利用を図ることは、どの関係国にとっても中長期的に利益がある。他方、資源をどの国がどれだけ漁獲するかについては、各国は自国の利益の最大化を図ろうとするため、交渉に多大な時間を必要とすることもしばしばである。

 そこで、漁獲枠ではなく、「漁獲枠を決めるための枠組み」を予め合意し、いったん枠組みが合意された後は、数年間はこの枠組みに資源や漁獲に関するデータを放り込んで、半ば自動的に漁獲枠を決定するという方式が、様々な国際漁業委員会で実行されてきた。今回の会議の最大の協議事項は、この漁獲枠を決めるための枠組み(WCPFCでは「管理方式(Management Procedure: MP」と呼ばれる)の仕上げであった。

合意されるかと思われた枠組み

 当初は関係国間で相当な意見の開きがあった太平洋クロマグロに関する漁獲枠を決める枠組みも、とりわけ7月の会合に先立って開催された関係国会議で相当程度の詰めが行われ、合意に向けて大きく前進していた。

 合意案として浮上していたのは、現状の資源水準よりも少しだけ上の資源状態に維持できるような漁獲圧で漁獲をコントロールするというものである。資源評価によると、22年時点での資源量(親魚量)は初期資源量比で約23%と考えられている。

 資源保護を重視する案としては、中長期的にみると初期資源量比40%程度に安定させるような漁獲圧を設定するという資源管理目標を掲げるものもあった。しかし、現在日本近海では10年前とは比べ物にならないほど大量のクロマグロが存在し、これ以上は必要ではないという漁業者の声も多い。こうした側からすれば、40%という目標は高すぎる。そこで日本は昨年の会合では初期資源量比25%程度に資源量を安定化させるというオプションを支持していた(IATTC-WCPFC作業部会報告書(2024), p. 6)。

 その後、それぞれのオプションの科学面からの検討や交渉を重ねた結果、中長期的にみると初期資源量比27.5%程度に資源量(親魚量)を安定させるような漁獲圧を資源管理目標とするというオプションに関係国の意見がほぼ収斂しつつあった。枠組みの期間は6年間とされ、この枠組みを用いた漁獲枠の改定は2年ごとに行われることでもほぼまとまっていた。枠組みに関する合意は近いかとも思われた。


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