増枠のための残されたハードル
ただし、実際に増枠を得るためには、まだ一つハードルが残っている。WCPFC側での漁獲枠の国別配分についての合意である。これには韓国がかかわっている。
今回の再開会議でなんとか合意を得た「漁獲枠を決めるための枠組み」は、各国の漁獲枠を何トンにするのかを決めるものではなく、漁獲枠の設定は別の法的拘束力を有する保全管理措置の合意が必要になる。
現行の保全管理措置でのクロマグロ漁獲枠の配分は、原則として02-04年を基準年として行われている。これに関して韓国は、基準年時点での漁獲が小型魚のみだったことから、大型魚の漁獲枠は21年まではゼロ、24年まで30トンとされ、25年になってはじめて501トンという実質的な漁獲枠が設定されている。
現行規定では、一定の上限と転用比率を設けて小型魚の枠を大型魚に転用することが認められているため、韓国はこの転用規定も利用して大型魚の漁獲に充てている。しかし近年韓国沿岸の定置網での漁獲割合が増えており、25年には大型魚漁獲が861.9トンと過去最高、総漁獲量の85.2%を占めている。この趨勢が継続すれば、小型魚からの漁獲枠転用規定を利用しても賄いきれなくなる。
そこで韓国は、大型魚の増枠分については、現在実質的な漁獲枠を有している日本、韓国、台湾の3者で均等に配分すべきと主張している(WCPFC北小委員会(2026)報告書, p. 31)。このため、今回の会議で配布された漁獲枠設定に関する合意案では、肝心の国別配分の部分が空白になっている。
日本は現行の配分方式で問題ないとの立場だが、保全管理措置の合意にはWPCFC北小委員会でのコンセンサスが前提になる。そこで同小委を10月頃に再度開催することが現在考えられており、ここで韓国との間での漁獲枠の合意が得られるかがカギになる。ここで合意が得られれば、11月末から開催されるWCPFC本会議で増枠が正式に採択されることになろう。
