また、前回の米朝首脳会談は、トランプにとってはメディアの注目を一身に浴びる最高の舞台だった。そして、より深刻なことに、ハノイ首脳会談の際に、一旦は金正恩の提案受け入れに関心を示したとされるトランプを「羽交い絞め」にして止めたボルトン国家安全保障担当補佐官は既になく、トランプ大統領の言う事に歯向かう人物は現政権内には皆無である。
必要となる準備と対応
これらを踏まえると以下のような状況に対する心の準備と対応が必要だ。まずメディアでは、トランプ大統領が米朝対話をするとしても、北朝鮮の非核化を求めることを前提として良いのか。
ハノイの際の状況に鑑みれば、トランプ大統領の要求は①平和条約の締結による停戦状態に留まる朝鮮戦争の最終的終結と、②米国に届く長距離弾道ミサイルの実験停止と放棄であり、その見返りに、①非核化放棄(≒核兵器国としての地位承認と制裁解除)②米韓共同演習の縮小(中止)のみならず、在韓米軍の規模縮小も必要に応じて検討するといったところではないだろうか。その先に来るのは、北朝鮮の脅威を低減させたと主張し、在韓米軍の撤退と米韓同盟の実質無力化、韓国の核兵器国化承認表明だろうか。
これでは、日本周辺の安全保障環境は益々悪化し、また、台湾有事抑止に向けた努力もとん挫する。
これらのことが起こるのは、次にトランプ大統領がアジアに来る時、すなわち、11 月18~19日の深圳アジア太平洋経済協力会議(APEC)前後になる可能性が高い。中間選挙に向けて、今後、米朝接触を前倒しで宣伝する可能性もある。
酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ【特別版】▶Amazon
