各国の思惑
メッカ協定は、トルコがここ1年余主導してきたようだ。エジプトを含め4カ国外相が協議を重ねていた。エルドアンらしい構想だ。
これまで、なかなか中東の中心に入ることができない微妙な扱いをアラブの国から受けていたトルコは、これで名実共に中東での中心的なプレーヤーになれたことに満足しているだろう。トルコ外相フィダンは、エジプトはいずれ協定に参加する、と自信ありげに述べている。
今回、エジプトはなぜ参加しなかったのか。トルコなどとの協議には6月21日にカイロで4カ国外相会合を開催するなど積極的に参加していたにもかかわらず、8月7日には署名しなかった。
今も13億ドルの軍事援助を受ける米国に気兼ねしたのか。あるいはパレスチナ問題で緊密な関係を有するイスラエル、さらには経済的支援国のUAEとの関係を慮ったのか。エジプト政府は協定への参加を「真剣に検討中」と説明している。
サウジアラビアは、米国、イスラエルに対し確固とした立場を示したように見える。パレスチナの大義を重視するサルマン国王の意志に従ったのであろうか。
ムハンマド皇太子は、二国家解決がない限りアブラハム合意に与しないとの立場を堅持した。アラブでのサウジアラビアの立場は強化されるだろう。
イスラム国で唯一の核を持つパキスタンの対中東関与の野望は広がる。それを睨んでか、近年インドはイスラエルやUAEとの関係を緊密化させていた。
イランは反発している。なお、メッカ協定には、今後エジプト、カタール、アゼルバイジャン、ヨルダン、シリアが参加するとの見方もある。
