2026年10月19日(月)

日本の農業論にモノ申す

2026年10月19日

 「農家が受け取る消費税」と書いたのは、本来の概念的には「生産者が消費者から預かる消費税相当額」であるためだ。消費者にとっては、同一商品、同一税率で販売されており、受け取った事業者の規模によって納税する事業者と納税する必要はなく手元にとどめることができる事業者に分かれている。

 また、基準期間の課税売上高が5000万円以下の「簡易課税事業者」についても、実際の仕入額ではなく売上に対する「みなし仕入率」を使って納税額を計算できる。農業のみなし仕入れ率は80%のため、売り上げの20%にあたる消費税を払っている。消費税減税は、この売り上げ8割分の免税もなくなることになる。

 日本の農業者の9割超が免税事業者および簡易課税事業者と推定されている。ほとんどの農業従事者が仕入れでは10%を払い続け、売上げでの還元を得られないことになる。

 乱暴に言えば、「益税部分の受取りが減少する」ということになろうが、収入・所得の源泉は、免税によるのではなく、事業活動を通じた利潤からでなければならないと思う。

農政の方向性と合致しているのか

 こうした状況に対し、政府部内で検討されている救済措置メニューは、①売上高に応じ仕入れ税額相当分を給付、②簡易課税事業者には売上税額と同額を控除、③仕入れ税額と売上税額の差額の還付を受けられる本則課税事業者への移行促進、④還付を受けるまでの資金繰りの支援などと聞いている。(日本農業新聞)

 しかし、日本の中小農業者の多くは、実は兼業先が本業の兼業農家であって、経営打撃が本当に大きいのかを検討する必要がある。国が推し進める生産性向上・規模拡大の方向を阻害しないか、という疑問も出てくる。

 そもそも、原材料費を含めて生産が持続できるコストを賄う価格を形成するための食料システム法が今年4月に施行されたばかりである。目指す価格形成の在り方に逆行するとも言える。

 販売段階での消費税減税により益税部分が縮小して仕入れコストが賄えないという議論があろうが、同法に基づくコメの生産コスト指標は、26年4月時点で玄米1キログラム当たり342.3円としており、高いコストをカバーしている。これがJAなどを通じた価格交渉で拠り所とされるのであるから、価格に反映され売上に寄与するので、生産が持続できるような配慮はなされていると見るべきであろう。


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