また、今回、2027年度からスタートする「新たな水田政策」は、農地の集積・集約、大規模化、多収化、スマート農業などによる生産性の向上を図っている。中小農業者への支援がブレーキを踏むことにならないか心配である。
およそ、経営の基本とは、市場において形成される価格に応えた合理的な生産・供給、そして、それを可能にする「簿記・会計処理」への精通にあると考えられる。事業者たるものは、税制の利用に際しても、各種の控除措置、還付措置を正面から活用して事業経営に当たらなければならない。
消費税についていえば、仕入れに要した支払い消費税と販売で生じた消費税に差があれば、「申告の上で還付を受けるのが筋というもの」ではないだろうか。所得税の源泉徴収といった昭和戦前期に始まって今も残る仕組みが「税・財政、その再配分への行政介入構造」として国民の課税・納税に大きな影響を及ぼし続けている。(野口悠紀雄『1940年体制 さらば「戦時経済」』東洋経済新報社)
実際に、給付金支給など過度な救済措置に対する批判の声も聞かれる。本則課税事業者への移行促進、会計処理の支援・指導、一定の経過措置など前向きの方向には進めるべきである。
国にも必要な「経営マインド」
なお、税制利用の現状について見ると、兼業農家の場合は、兼業先(本業部門)では、ごく当たり前のように、社会保険控除、医療費の控除と還付、副業面での必要経費の控除など確定申告を行い、各種税制の活用を行っている。何もしなくとも、源泉徴収によってすべて済んでいるという考え・行動に問題があるのかもしれない。農業所得についても、同様な「申告、控除、還付制度」を活用するのがフェアというものだ。
そして、消費税引下げに伴って不足する福祉対策のための安定財源を明確に示さないままのスタートは、大いに問題があり、将来に禍根を残しそうな気がしている。国の財政も、農家もしっかり「経営マインド」を持って対応してほしいものである。
