「本音」の収集に努めつつ
仕組みの抜本的な再構築を
民意を集約する上で〝万能薬〟は存在しないからこそ、様々な手法を最大限駆使し、表出しづらい「本音」に近づくことが望ましい。
ただもちろん、「声を拾う」だけでは課題の本質は解決できない。関東学院大学経済学部教授の島澤諭氏は次のように念を押す。
「就職氷河期世代が生まれた背景には、当時の企業と労働組合が既存の正社員を守った一方で、引き受けるべきだった雇用や人材育成の責任を就活生本人と政府に負わせたことがある。政府だけが支援事業を増やし続けるようでは、本質を見失う。
例えば春闘で非正規労働者の処遇を交渉課題にすることをはじめ、産業別組合や個人加盟型組合を強化すること、人を雇い、育て、長期的な生活を支える企業を評価する仕組みをつくることなど、社会全体の仕組みを変えていけるかどうかで、日本の行く末は変わる」
「本音」を集めることは一つの手段に過ぎない。日本の人口の6分の1にもあたる就職氷河期世代と、その後に続く世代が抱える課題を直視した上で、決して〝体裁づくり〟で終わらせず、社会全体で抜本的な仕組みの再構築が必要だ。
