先月、寿司用米の取材で訪れた新潟県上越市の農研機構・北陸研究センターでは、カレー用のコメも開発し、品種登録していました。品種名は、カレー用米だけに、ズバリ「華麗舞(かれいまい)」です。食品メーカーからの依頼で過去に開発していた複数の品種の中から、カレーに合いそうな粘りのない品種を見出したのがきっかけでした。
同センターの開発者によると「華麗舞」は、カレールーをかけても米粒がベタつかず、ルーと米粒が相性よく絡まるそうです。ただ、依頼した食品メーカーの企画は途中で頓挫。需要がないため、生産者も皆無で、市場に出回っていないことが課題といいます。
コメにこだわるカレー店
とはいえ、日本人のカレー好きは、世界でも知られるところです。日本には、数多くのカレー店があります。各店がカレールーにこだわり、美味しくする秘伝の材料を使ったり、作り方を工夫したりして、味を競っています。
しかし、カレーライスのもう一つの主役であるコメには、どの程度こだわっているのでしょうか。カレーチェーン「ゴーゴーカレー」を展開し、インドネシアや米国・ニューヨーク、ブラジルなど海外にも進出しているゴーゴーシステム(東京都新宿区)の宮森宏和社長に話を伺いました。
取材に応じる宮森宏和社長(Wedge)
同チェーンで消費されるコメは、単純計算で年間450トンとのこと。宮森氏は「カレーは、ルーをかけるから古米でもいいと言うが、そうではない」と強調します。