2024年11月23日(土)

Wedge REPORT

2014年10月17日

こだわりのベビーリーフ

 ところが、東京では毎日、大勢のOLやサラリーマンが外食している。寿司やラーメンといった美味しい食事を7ドル足らずで楽しめる都市は、東京以外にどこにもないだろう。

 東京のレストランのコストパフォーマンスが高いのは、人件費と消費税が(まだ)安く抑えられているからだ。食料は高いが、それを料理に変えるコストは安い。スーパーマーケットで売られている食材と、レストランで楽しめる同じ食材を使った料理との価格差は、パリの差よりもずっと小さい。そのため、東京の消費者は、自炊後に皿を洗う面倒がない分、レストランで食事をする方がいいと考える。

食材の質はアジアで一番

 そして、東京のもう一つのポイントと言えるのが、外国料理であっても、シェフに日本人が多いことだ。最近、筆者はJR恵比寿駅のショッピングモールでミラノ風カフェを発見した。この店で出されたイタリアンサンドイッチは、筆者がイタリアを旅行した時に味わったサンドイッチよりもイタリアっぽく見えた!

 世界の都市では、外国料理のレストランは、たいていの場合、外国人が運営している。パリでは、インド料理店はインド人、和食レストランは日本人かアジア人が運営している。しかし、東京では、外国料理でも日本人のシェフが多い。たとえば、パリでは今、若い日本人のシェフが料理界を席巻している。そうしたシェフの大半は、パリで修業を積んだ後、日本でフランス料理店を開店する。そして、師匠から学んだレシピを自分なりに改良し、より豊かな料理を創り出している。

 東京に50年以上住んでいるワイン輸入業者兼レストランプロデューサーのアーニー・シンガー氏は「料理の世界は、芸術的感性を持った日本の若者が自分の創造性をフルに発揮できる分野だ」と評価する。

 もちろん、東京のレストランが扱う食材の質も素晴らしい。


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