世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年10月30日

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 2014年のローウィー研究所の世論調査では、アボット首相が日本を「アジアの親友」と呼ぶのとは、異なる結果が出た。31%のオーストラリア人が中国を親友と呼び、日本を親友としたのは28%だった、と述べています。

 出典:Graeme Dobell ‘Japan as small ‘a’ ally’(Strategist, ASPI, Sep.22, 2014)
http://www.aspistrategist.org.au/japan-as-small-a-ally/print/

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 上記は、日豪同盟の難しさに関して言及した論説ですが、果たしてそうでしょうか。確かに、豪州の最大の貿易相手国は中国で、2013年の両国の貿易は、総額で1509億1900万豪ドルに上ります。第2位の日本は、707億5300万豪ドルで約半分です。

 中国に比して、経済相互依存関係は、見劣りするかもしれません。しかし、安全保障は、経済関係に比例しません。現に、米国と豪州の貿易額は、中国の約3分の1の547億17百万豪ドルですが、豪州にとって、米国は最も重要な同盟国です。今回の対「イスラム国(IS)」の有志連合の中でも、早々に、米国の空爆に支持を表明し、その支援のために600人規模の兵力を派遣することを決めたのも豪州です。

 では、「同盟」とは何でしょうか。厳密には、同盟は攻守同盟を意味しますので、現在の集団的自衛権の限定行使では、日本は他国と同盟を結びにくいでしょう。ただ、長期的には、同盟を結ぶ要因(共通の国益、共通の価値観、信頼関係、相互依存関係、共通の仮想敵等)を考えれば、将来、日豪同盟が結ばれるのも夢ではないかもしれません。そのためにも、集団的自衛権行使の制限をさらに緩和することが、将来的な課題となるでしょう。

 本年4月のアボット首相の来日、そして7月の安倍総理の訪豪が、両国の関係を歴史的に発展させました。そして、折しも、4月1日の「防衛装備品移転3原則」及び7月1日の「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の両閣議決定は、日本の安全保障体制を新たな段階に引き上げるものとなりました。

 本年11月には、G20ブリスベン・サミットに出席するため安倍総理は再び豪州を訪問します。また、第一次世界大戦で日豪海軍が協力してから100周年にあたる今年、「アルバニー船団記念式典」が開催され、豪州は、更なる日豪軍事協力を期待して、日本の海上自衛隊を招待しています。

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