9月22日付の豪戦略政策研究所(ASPI)のブログ・サイトStrategistで、同研究所のGraeme Dobellジャーナリスト・フェローが、日本は豪州の同盟国となり得るが、豪州の国内事情から考えるとまだ難しい、と述べています。
すなわち、豪州と日本を同盟国として扱うには、幾つか難しい要因がある。まず両国民を説得しなければならないし、この日豪同盟のアイデアが出てきて、まだ15年も経っていない。そして、豪州には政治の分裂があり、主要政党は、日豪同盟の考えに合意していない。
労働党は、日本を同盟国として扱うことに懐疑的であるが、一方、自由党は、同盟を推進したいと思っている。ジョン・ハワード首相がそれを始め、トニー・アボット首相が、更にそれを進めている。
昨年、アボット首相は、日本を「強力な同盟国」と呼んだ。これに関して、豪政府高官は、「米国とは異なり、日本とは安全保障上の条約を豪州は結んでいないが、日本は、豪州にとって経済的にも戦略的にも大変親密なパートナーである」と説明した。
日本を「同盟国」と呼ぶには、それなりの理由がある。今や、日本は、伝統的アングロサクソン同盟国である英国やニュージーランドと並び、豪州との防衛関係では、第2番目の位置を占めるからである。
日米豪三カ国の防衛協力を開始し、日豪二国間の防衛関係を築くことを、ジョン・ハワード首相が推進し、日本はゆっくりとついてきた。2007年3月にハワード首相と安倍総理が署名した日豪安全保障協力共同宣言でも、豪州の方が範囲を拡大して協力したがった。当時、ハワード政権では、日本と正式な安全保障条約を結ぼうとの話も出ていたが、日本の法制局が、法的にも政治的にも難しいと考えていた。