2024年11月22日(金)

韓国の「読み方」

2014年11月17日

 しかし、習近平体制発足以降、中国は韓国との関係強化に力を入れ、韓国もまた李明博政権で悪化した中韓関係を改善しようと朴槿恵大統領は中韓関係の発展に力を入れてきた。一般的にしばしば指摘されるが、両国の経済関係の進展が、韓国の対中認識変化に多大な影響を与えたことは間違いないだろう。昨年、韓国の経常収支黒字は799億ドルで史上最高値を記録したが、このうち70%の556億ドルを中国との交易で獲得している。以下のグラフを見てもわかるとおり、韓国の対外貿易は中国なしには語れない。

「中国は朝鮮半島統一を望んでいない」

 2013年2月の北朝鮮による第3回核実験に対し、中国はこれを強く批判した。前述の政権交代に伴う関係転換期とも重なり、これは韓国の対中不信を和らげ、北朝鮮の核問題における中国の役割を期待する向きが高まった。「韓中の指導者がとりくむべき事案は何か」という質問に、53.6%が北朝鮮の核問題を挙げている。また北朝鮮の核問題解決において主導的役割を果たすべき国家として、34.3%が中国と答えた。これは韓国(33.7%)という回答と同程度で、米国(22.5%)より高い。

 統一に関しては、「中国が北朝鮮を緩衝地帯とみなしている」という認識が韓国では一般的であることが明らかになった。「中国は統一を望んでいない」という意見が70%にも達する背景は、かかる認識に基づくものなのかもしれない。地政学上の構造的関係や、そこから派生する不信感は、経済関係や指導者間の友好関係の強化をもってしても克服しがたい。一方で「朝鮮半島の統一に中国の支援が必要である」と考える人の割合は82.4%にのぼり、北朝鮮問題で中国といかなる形で協力できるか韓国の迷いが見受けられる。


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