おもしろければパクりもあり!?
バイラルメディアが悪質と言われる理由
近年乱立しているバイラルメディアは、「SNSなどの情報拡散力を利用してトラフィックを集めることが目的のサイト」と位置づけられている。「メディア」という名がついていながら、ライターや編集経験のない素人が作っているのではと疑いたくなるような粗いサイトも多くある。すべてのバイラルメディアがそうではないが、「コンテンツの無断転載」を繰り返す悪質なバイラルメディアも多い。つい最近も、ネット界で有名なライターのヨッピーさんが、「悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた」(http://special.smartguide.yahoo.co.jp/kawanagare/20141028.html)という記事の中で、悪質な“パクり”を行ったバイラルメディアに訴訟を起こすまでのやりとりを公開した。
バイラルメディアは「笑える、びっくりする、人に話したくなる」などのコンテンツを配信し、ユーザーの関心を引くことで成り立っている。しかし、これまでのメディアが、基本的には純粋に人をおもしろがらせたいクリエイターたちがコンテンツをつくる場であったのに対し、バイラルメディアは「拡散」を前提として、その効率を追求しているためなのか、本来労力のかかる「コンテンツづくり」に手間をかけていない傾向がある。大量に配信してアクセスを稼ぐためには、コンテンツをいちから制作するのではなく、ネット上で拾ったおもしろいコンテンツをコピーし、寄せ集めて自分のメディアで配信すれば、作業効率はかなりいいだろう。
しかし、制作者に無断でそれをやれば著作権侵害にあたり、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が課せられる。もともとの制作者が訴えないのは、ヨッピーさんの記事でも指摘されている通り、それが個人のクリエイターたちにとって非常に時間と労力のかかる作業だからだ。悪質なパクリを行うバイラルメディアの運営者は、「どうせ訴えられることはないだろう」と高を括っている、というようにも見える。
「Spotlight」の松浦亜弥さんの記事は、音楽業界者の発言などの引用が大半を占める記事ではあったものの、一応はオリジナルで制作されている。ただし、記事中で紹介したYouTube動画が問題になった。