日本企業に出資した狙い
テンセントは、資本提携を積極的に進めることで、実力のある開発会社との関係を深める戦略を積極的に推し進めている。12月に、日本のスマホゲームの開発会社エイミングとの資本提携を発表した。
マーベラスが展開するヒット作RPG「剣と魔法のログレスいにしえの女神」の開発会社だ。出資形態や出資比率は明らかにしていないが、出資比率は50%未満のようだ。今後、エイミングはテンセントのゲームを日本で展開することにも協力していくという。
欧米圏のゲーム会社へも積極投資を行い、中国と世界でヒットする人気ゲームを育てることも行ってきている。全世界で6700万人が遊んでいるパソコン向けの戦略対戦ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」の開発運営会社である米ライオットゲームスを11年に買収、12年にはゲーム開発環境も開発する米エピックゲームズの株式の48.4%を取得し、新作ゲームの発売の準備を進めている。
ただ、買収した企業への経営にあまり干渉せず、会社の方針の自由度を守るスタンスを取っており、資本提携会社の評判はよい。
テンセントは日本進出を本格化する(BLOMBERG/GETTYIMAGES)
エイミングへの出資も、開発力を持つ人材のいる日本企業と深い関係を作ることと、日本進出への足がかりという両方のメリットを狙ったものと思われる。
日本企業が中国市場を求める「テンセント詣で」の段階は終わりつつある。今や、テンセントが日本へ進出する段階へと大きく変わろうとしている。
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