双葉郡8町村
重複する復興計画
「30年後の故郷と子どもたちのために、大人たちがいまできる行動を起こさなければ」そんな思いから、福島県浜通りの道路沿いに2万本の桜を植える「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」を進めている西本由美子さん(NPO・ハッピーロードネット理事長)はこう訴える。
「双葉郡の8町村は、それぞれバラバラに、重複する復興計画を立ててインフラ整備などを始めているが、8町村まとめて『双葉市』として全体最適のグランドデザインを描くべき」
どの町のアンケートでも帰還希望者は全体の2~3割程度であり、避難解除後に実際に帰還する人はもっと少ないとみられている。人口密度は大幅に下がるのだ。双葉町や大熊町は確かに空間線量率の高いところが多いが、8町村全体でみれば、低いところは数多く点在している。これから、廃炉関係の研究施設や、イノベーション拠点の設置も検討されているところだ。双葉郡単位で「まち・ひと・しごと」の全体最適を達成するような復興計画を練り直すべきではないだろうか。
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