2022年11月30日(水)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2015年5月28日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

【図表4】パートタイム労働者:名目賃金と失業率の関係 拡大画像表示

 この要因としては、統計や均衡失業率の正確性の問題も排除はできないものの、相対的に低賃金の非正規雇用者の割合が就業者全体の中で増加していることでかなり説明できる。

 現に、全体の労働需給ひっ迫度合が高まっている中で、非正規雇用者の過半を占めるパートタイム労働者の名目賃金は上昇傾向が続いており(図表4)、一般労働者(パートタイム労働者を除いた常用労働者)の名目賃金も同様となっている(図表5)。

【図表5】一般労働者:名目賃金と失業率の関係
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明確なアメリカの労働需給と賃金の関係

 ここで、アメリカの状況はどうなっているのかを見てみよう。アメリカでも、景気回復に伴って失業率が低下し、失業率と均衡失業率の差は縮まりつつある。

 そこで、日本の場合と同じように、労働需給のひっ迫度合と名目賃金の関係を見たのが図表6で、日本では不明確な名目賃金と労働需給との相関が見事に示されている。

【図表6】米国:名目賃金と失業率の関係
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