海外旅行も通訳要らず
地方都市の一部には固定電話を使って通訳サービスできる仕組みになっているが、話す相手が変わるごとにオペレーターと話さなければならず、使い勝手が悪いため全く使われていないという。代わって登場してきたのが、顔を見ながら話せるテレビ電話による通訳だ。コストのかかる最新技術を使わなくても、いまのアナログ技術で対応できる。
同じテレビ電話方式で、ブイキューブとパイオニアVCはキューアンドエーのグループ会社で多言語通訳サービスを提供するランゲージワンと共同で、モバイル端末やパソコンから通訳オペレーターにつなぐ「VCUBEトランスレーター」のサービスを6月下旬から開始する。英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、ロシア語の7か国語に対応し、インターネット環境があれば世界中どこからでも利用できる。
東京の芝大門ホテルが導入を決めており、宿泊施設やショッピングセンター、鉄道会社など訪日外国人が多く訪問する企業への販売を目指す。
音声認識の技術をIBMで長年、研究してきたという間下浩之パイオニアVC副社長は「音声認識による通訳はある程度のところまでは行くが、そこから精度を上げるのが難しい。このサービスはアナログ技術だが通訳オペレーターの翻訳能力を生かしたほうが効率的だ」と話す。
「VCUBEトランスレーター」は世界中で24時間使える。病気になった時などは専門用語が分かる人を加えて3者間通話も可能。このため、海外旅行のオプショナルサービスとして個人や法人への提供が検討されている。出発前に旅行代理店を通じて契約しておけば、言葉の心配なく旅を楽しめるというわけだ。
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