米カーネギー平和財団のジェームス・ショフ上席研究員が、8月14日付の同サイトで、アジア情勢の変動に対応する上で重要なことは日米韓の連携を確かなものにすることであり、このため米国としても一定の役割を果たすことができる、と論じています。
すなわち、戦後、日米同盟は、東アジアの平和維持に主要な役割を果たしてきた。しかし、将来に向けて若干の暗雲が生じつつある。東アジアは、生産的な調和にも或いは破壊的な衝突にも向かい得る過渡期にある。多くは、米国とそのアジアの同盟国がいかに巧く地域のダイナミクスに順応して行けるかにかかっている。
日米同盟は成熟をとげたが、他方で東アジアの情勢は変貌した。中国は地域の抜きんでた経済大国となり、その影響力を増している。ナショナリズムが燻っていた紛争に火をつけている。北朝鮮が核兵器を使用するぞと脅かしている。これらの状況の故に、米国は、地域における安定、開放、アクセスを追求する上で思慮深い外交を必要としている。これは米国のみではなし得ない。
日本は、自衛隊とそのパートナーの協力についての制約を緩和することによって、自身の防衛の能力を強化し、多国間の安全保障のイニシアチブに貢献しようとしている。安保法制は、日本の安全が脅かされた時、あるいは安定維持のための地域的な努力として、日本が米軍とより効果的に連携することを可能とする。集団的行動の基礎を強化することは、現状を力で変更しようとする試みを抑止する筈である。
集団的自衛権の行使容認を推進する安倍総理は支持率の低下に見舞われているが、これは思慮深いリーダーシップの不幸な代償である。日本がその防衛について最早米国頼みを決め込み得ない、そして将来の不確実性が不安定を生む新しい時代にあって自衛隊のより大きな役割は必須である。日本は外交面でもイニシアチブをとり、東南アジア諸国と連携関係を築き中国の経済的優越と威圧の試みに対応しようとしている。このことは米国が日本と調整してそのアジア戦略を強化する機会を提供する。
韓国も重要性を増している。地域の一番の懸念である北朝鮮による核攻撃の脅威に対処する上で米韓同盟は枢要である。米国は、韓国が海外のパートナーシップを一層発展させるよう慫慂すべきである。それは、韓国の利益にもなる。